Khon Kaen大学留学体験記
医学部6年 吉井 奏
2019年4月2日~4月26日の期間でタイ北東部のKoan Kaen大学付属病院で臨床実習に参加しました。今回外研修を希望した動機としては、医療面での違いや学生が学ぶ医学のレベルの差などを実際に海外の病院で見てみたいと感じたことにあります。また、日本と同じく第二言語であり、日常ではほとんど使用することのない英語を如何にして習得してきたのかを知りたいという興味がありました。後者が、私が特にタイを海外臨床実習先に希望した最も大きな理由の一つです。タイの町中では、ほとんど英語は通じないにも関わらず、若い医師や医学生は英語が堪能な人が多いです。実際にKhon Kaen大学のドクター?学生は人によってはとても流暢で、また全員が一定以上のレベルで英語を扱ってコミュニケーションが取れる能力があり、外来見学時や回診でも多数の先生が逐一それぞれの症例について説明してくれました。タイでは教科書や医学単語が全て英語であるということもありますが、学生にプレゼンやディベートを強制的に英語で行わせるカリキュラムがあったり、英語に対する慣れや親しみは日本の医学生と比較してもかなり大きいと感じました。
実習期間中、私は消化器外科選択しその中の肝胆膵チームに入り回っていました。チームは准教授を除くと10年目までのドクターが中心で、若い先生たちが早くから経験を積むことが出来る環境が整っていました。火?木が手術日になっているのですが、タイは患者の数が多く1日に2件のオペが予定されていて、長い時では夜22時ごろまで続くこともありました。しかしオペ中でも先生方が症例や手術の手技などについて説明してくれたのでまるで退屈せず、とても有意義でした。特にタイでは胆管癌が消化器癌のCommonとなっており、日本では比較的稀な胆管癌も、Koan Kaen大学病院では週に2回のペースで見学することが出来て貴重な経験が出来ました。腹腔鏡の適用症例が日本に比べて少なく、日本ではすでに導入が始まっているRobotic surgeryもタイでは実現するのはもっと先になるだろうとドクターは仰っていました。
タイの4月はちょうど真夏に当たる時期で、気温40度は当たり前の暑さでした。現地の水のせいなのか、香辛料のせいなのか、留学中は度重なる腹痛と下痢に悩まされるというのなかなかハードな経験もしましたが、1か月もすれば現地に慣れ、友人も多くできて楽しく過ごせました。タイの先生や学生はとてもフレンドリーで、異国の交換留学生の対応に慣れている様な印象を受けました。日本の学生もこのような面は見習わなければならない点が多くある様に感じました。今回の留学では、沢山の方に助けていただき心より感謝申し上げます。この経験から多くのことを学んだので、将来そのことを生かして自分の成長に繋げるとともに、より多くの方々に還元できるよ様になりたいと思います